ヘルシープレート誕生までの4年間の研究軌跡
肥満者へのパイロット研究 |
簡単カーボ食の効果と安全性 n=10 2010 介入研究 |
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原著 |
へルシープレート®を用いた減量プログラムの効果と安全性:予備調 日本糖尿病情報学会 2-JJADI Vool.11 |
2010介入2011発表 日本糖尿病情報学会 |
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ヘルシープレートの検証 栄養士:学生:糖尿病患者 |
ヘルシープレートの妥当性、再現性、使い勝手の具合を検証した n=30(栄養士10名、学生10名、糖尿病患者10名) |
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「ヘルシープレート®」を活用した簡単カーボコントロール法-ヘルシープレート®の検証 医歯薬出版 |
栄養改善学会2012 日本糖尿病学会2103 |
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2型糖尿病におけるカーボコントロール法を用いた介入研究による効果 2型糖尿病におけるカーボコントロール法を用いた介入研究による効果(教室における各種データの追跡および検討・教育媒体の作成及び効果の検討) ポーションコントロール法が2型糖尿病改善に影響をおよぼす要因検討 簡単カーボ食の効果と安全性 n=30 |
大学内研究発表 2011~2013 病院・地域医療機関で同じ方法で検証 |
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肥満を2型糖尿病患者のランダム化比較試験 |
簡単カーボ食の効果と安全性(2012年度6月から2013年4月までの期間、2型糖尿病患者を2群に分けて比較検討) |
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Efficacy and safety of a lifestyle intervention program using healthy plate for treating diabetic subjects with overweight and obesity: a randomized controlled trial |
第20回国際栄養学会INUS(スペイン・グラナダ)2013 |
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メタボリックシンドローム該当者の分析 |
ヘルシープレートを用いた食行動変化がメタボ構成因子に及ぼす影響 |
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ヘルシープレートを用いた減量プログラムの有効性と安全性:メタボ関連指標に及ぼす影響 |
日本肥満学会2013 |
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論文 |
Efficacy of a 3-month lifestyle intervention program using a Japanese-style healthy plate on body weight in overweight and obese diabetic Japanese subjects: a randomized controlled trial: Keiko Yamauchi, Tomomi Katayama, Takahiro Yamauchi, Kazuhiko Kotani, Kokoro Tsuzaki, Kaoru Takahashi and Naoki Sakane |
BMI25%以上で2型の糖尿病患者さんを対象に「お腹も心も大満足!最新糖尿病」を開催する介入研究を2年間行いました。2011年度は、体重-3.9kg、BMI-1.7、体脂肪率-2.3%、腹囲-1.5cm、腕皮下脂肪厚-5.6cm、肩甲骨下皮下脂肪厚-11.6cm、収縮期血圧-12.6、拡張期血圧-9.9へと有意な改善が認められました。HbA1c -1.0%、グルコアルブミン-1.7%と有意な改善が認められました。
2012年度も同様に、体重-2.0、BMI-1.6、体脂肪-2.1、腹囲-4.1、収縮期血圧-18.0、拡張期血圧-7.5 と身体計測値も全て有意に減少し、改善が認められました。総コレステロール-17.2、中性脂肪-23.0、空腹時血糖-21.0、HbA1cは★-0.6に改善しました。
体重が2倍、腹囲が3倍改善していた体重減少の多かった群(全体の2/3)はLDL-cが-16.7mg/dlも改善していました。
④減量や血糖コントロールを目指したポーションコントロールプレート「ヘルシープレート®の開発」:糖尿病の食品交換表をベースにエネルギーと糖質を適度に制限し、「ヘルシープレート®」に主食、主菜、副菜を一定比率で盛り結果の検証を深めました。
総摂取エネルギー、炭水化物、たんぱく質、脂質摂取量他、各種栄養素について秤量法との比較を行った結果、管理栄養士群、学生群、2型糖尿病患者のいずれにおいても、指示された1日のエネルギーの±10%以内に全員がおさまっていました。また、糖質エネルギー比50%前後に、飽和脂肪酸もほぼ全員が7%未満におさまった。また、学生群、患者はたんぱく質も標準体重1kg当たり1.2g/kgを超えていませんでした。食物繊維摂取量は1日目標値の15gを遥かに超えており、野菜の摂取量も460~600gとしっかり盛り付けられ、満腹感、満足度やお勧め度は3群とも高かったです。
Takahiro Yamauchi・Keiko Yamauchi ・Naoki Sakane・Tomomi Katayama: "Efficacy and safety of a lifestyle intervention program using healthy plate for treating diabetic subjects with overweight and obesity: a randomized controlled trial" IUNS 2013 (第20回国際栄養学会). 20130915-20130920
本研究は、2012年度6月から2013年4月までの期間、2型糖尿病患者を2群に分けた比較対象試験を実施し、その有効性も確認できたことから、25年度9月にはスペインのグラナダで開催された国際栄養学会にて発表、その後栄養ジャーナルの論文となった。内容詳細は論文参照9)
介入群の被験者は、3か月でのベースラインからの体重に大きな変化が認められた「(‐3.6±2.6kg:‐0.3±1.6kg、P=0.04)。HbA1cレベルにおいて、両軍艦に有意差は認められなかったが、介入群における抗糖尿病薬の数が減少した。また、有害作用は報告されなかった。介入群の日患者の大多数が、プログラムは利便性の高いもので、周りにもすすめたいと述べた。ヘルシープレートの使用が安全で、なおかつ糖尿病患者の体重減少に有効であることを示唆している。
⑦ポーションコントロールがメタボ構成因子に及ぼす影響:
欧米では、肥満や2型糖尿病の食事療法のひとつとして、ポーションコントロールがあり、その有用性が報告されている。一方、日本人は欧米人とは食事内容が異なる。そこで、日本人向けのポーションコントロールプレートの開発が必要であると考えた。
ポーションサイズはエネルギー摂取量を決定する重要な因子である。
我々は、肥満者においてポーションコントロールプレート(ヘルシープレート®)を用いた減量プログラムがメタボリックシンドローム関連指標に及ぼす影響について検討した。
ヘルシープレートを活用した、ポーションコントロール法が、メタボリックシンドローム構成要因に及ぼす影響を検討した結果、エヌセップの5項目である肥満・血圧異常・血糖異常・脂質衣装のTG・HDL-cの割合が、それぞれBMI25%の肥満者は76.5%から5.3%、血圧は67.4%から23.5%、血糖値異常は42.4%から24.2%へと、高中性脂肪は23.5%から0に、HDL-cも20.6%から14.7%へと、全項目で改善していましたが、特に減量によって血圧と脂質は大きく改善していた。したがって、メタボ点数は2.3±1.1より1.1±0.9へと有意に改善し、メタボ該当者も44.1%から5.9%へと有意に減少した。
これはメタボの改善教室に参加された方の追跡調査結果です。
体重が少し増えてしまった方もいるけれど、さらに減量している方もいたことから、体重減少していてもばらつきがあることで有意差(統計的に痩せたとは言えない)が認められませんっでした。
これは、BMIでほんの少し増えて有意差が出ていることから見ると、リバウンドした人もいるよという結果を表しています。
それでも重要なことは、体脂肪も、腹囲も有意に改善しているということです。
この時の研究に参加してくださった皆さんは、スポーツクラブの会員さんたちで、食事ダイエットは苦手だから、痩せるために運動で頑張っている方たちだったのです。
もちろん研究中は、ヘルシープレートの効果を見るために、身体活動計測計を付けて、運動を3カ月間増やさないようにお願いしていたので、運動量はむしろ抑えられ気味でした。
3か月の教室開催後、1年間は食事は少しゆるくなっても、運動には気を付けてくださっていたようです。
結果、体重やBMIの増加にもかかわらず、体脂肪、腹囲が有意に減少している背後には、運動による筋肉量の増加が隠れているかもしれませんね。
正確に筋肉量を計測したり、血液検査をしたわけではありませんので、この調査結果が、どこまで正確なことを教えてくれているかはわかりません。
私自身のことでいうと、研究前にお試しでチャレンジした結果、3か月で8kgの減量に成功しています。
その後、4年間で+2kgの体重増加はありますが、少し増えると再度プレート食を1週間くらいイメージして実行し、戻ってはまた繰り返しをしながら、現状維持ができています。
以前は、太った体系で「特定保健指導者セミナーの講師」というお役目を頂き、日本中で講演活動をしていましたので、当時の私をご存知の方にお会いしたら、きっとビックリされることでしょうね。